「バルーン入り錠剤」で肥満治療が可能に?

by KPKA posted Nov 20, 2015
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錠剤を飲むだけで痩せる治療が実現に近づいていることが、予備的研究で示された。

現在試験段階にあるのは、細い管のついたカプセル内に詰めた胃内バルーン。このカプセルを飲み込むと、胃で溶けて中からバルーンが出てくる。そのバルーンに管から緩衝液を注入して膨らませた後、管を口から抜き取れば、グレープフルーツ大(約500 g)のボールが胃に入った状態となり、少ない食事量で満腹感が得られるようになる。約4カ月でバルーンは自然に縮小し、殻は排泄される。

米Allurion Technologies社(マサチューセッツ州)が開発したElipseと呼ばれるこのデバイスは、米国で使用できるようになるまでには早くても2~3年かかると思われる。しかし、チェコ共和国およびギリシャで被験者34人を対象に実施された早期研究では、この治療が有効かつ安全であることが示唆され、患者の超過体重は4カ月で平均37%(約10kg)低下した。このデバイスは減量を補助するものであり、根本的に治療するものではないと専門家らは指摘している。

研究著者である米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(ボストン)のRam Chuttani氏は、このデバイスにより食事量を減らすことに慣れれば、バルーンがなくなった後も減量の維持が見込めると説明している。この知見は、米ロサンゼルスで開催された米国代謝・減量手術学会(ASMBS)および米国肥満学会が主催のObesity Week 2015で発表された。なお、学会発表された研究は厳密な査読を経ていないため、予備的なものとみなされる。

米国外では厚みのあるシリコン製の胃内バルーンが約15年前から使用されており、米国でも今年2種類の従来型バルーンシステムが承認されている。Elipse とは異なり内視鏡を用いて胃内に留置する必要があるが、追跡の結果、長期的な便益が示されているという。主な副作用は吐き気や嘔吐で、Elipseの被験者にも同じ症状が認められている。

米スタンフォード大学(カリフォルニア州)のJohn Morton氏によると、従来のバルーンは主にBMI(体脂肪の評価値)35以上の患者に適用されるのに対し、ElipseはBMI27からの使用を意図したものだという。BMI27は肥満ではなく過体重に分類される。今回の結果は小規模研究によるものだが、現在のところ実に有望だとMorton氏は述べている。(HealthDay News 2015年11月5日)

http://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/obesity-health-news-505/balloon-in-a-pill-may-be-latest-weight-loss-weapon-704967.html
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