マンモグラフィの偽陽性、後のがんリスクを示す可能性

by KPKA posted Dec 15, 2015
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マンモグラフィで偽陽性の結果が出た女性は、後に乳がんを発症するリスクが高い可能性があることが、新たな研究で示された。しかし、研究を率いた米ノースカロライナ大学チャペルヒル校放射線科助教授のLouise Henderson氏は、「リスクを高める要因は多数あり、(偽陽性の結果は)パズルの新たな1ピースにすぎない」と述べている。

「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」12月号に掲載された今回の研究では、1994~2009年に米国の異なる地域で40~74歳の女性約130万人を対象に実施された220万件のマンモグラフィの結果を分析。初回の検査後、10年間にわたり対象者を追跡し、偽陽性の結果が後の乳がんリスクに関連するかどうかを検討した。

対象者は、検査結果が陰性だった群、偽陽性で追加検査(MRIなど)を受けた群、偽陽性で生検を受けた群の3グループに分類された。なお、生検を受けた女性は、比較的がんの疑いが強かったと考えられる。

その結果、マンモグラフィが陰性だった女性に比べて、偽陽性で追加検査を受けた女性では、追跡期間中にがんを発症するリスクが39%高く、生検を受けた女性では76%高かった。

このリスク上昇は大きいように感じるが、大局的にみればわずかなリスクだとHenderson氏は話す。米シティ・オブ・ホープがんセンター(カリフォルニア州)のJoanne Mortimer氏は、過度の警戒は必要ないという点に同意し、女性はむしろ「高い意識」をもち、偽陽性の結果が出たらどうすればよいかを医師に尋ねるべきだと述べている。

Mortimer氏は、偽陽性の結果は「over-reading(過大読影)」の場合もあるが、正常細胞からがんになるまでの過渡期の変化が認められた可能性もあると指摘する。経験豊富な放射線科医であれば過大読影は起こりにくいが、読影は単純な仕事ではない。「放射線科医は1つの単純な異常に着目するのではなく、異常の疑われる所見を総合的にみて、がんの疑いがあると判断している」と同氏は説明する。

他国に比べ、米国では偽陽性率が高いという。年1回のマンモグラフィ受診を支持しない専門家らがその理由としてよく挙げているのは、偽陽性によって生じる心配や不安、不必要な追加検査などである。偽陽性の結果が出たら、どのくらいの間隔で検査を受けるのがベストであるかを医師に尋ねることをHenderson氏は勧めている。この新たな情報がリスクモデルに組み入れられ、他の因子とともに考慮されるようになることを期待すると、同氏は付け加えている。(HealthDay News 2015年12月2日)

http://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/a-false-positive-mammogram-may-hint-at-higher-breast-cancer-risk-later-705798.html
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