ADHD治療薬が小児の睡眠障害に関連

by KPKA posted Dec 15, 2015
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注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療薬が小児の不眠の原因となる可能性が、新たな研究レビューで確認された。「Pediatrics」オンライン版に11月23日掲載された今回の解析では、ADHDの治療薬を処方された小児に、入眠や睡眠維持の困難が生じる場合があることが明らかにされた。

リタリン、コンサータなどのADHD治療薬には、生じ得る副作用の1つとしてすでに睡眠障害が記載されているが、これまでの研究では一致する結果が出ていなかったと、今回の解析を率いた米ネブラスカ大学リンカーン校のKatherine Kidwell氏は話している。さらに、ADHDの小児には服薬の有無にかかわらず睡眠障害がよくみられるため、薬剤の使用によりむしろ睡眠が改善されると主張する研究者もいる。

今回の研究では、ADHDの小児を、精神刺激薬を服用する群としない群に無作為に割り付けて比較した7件の臨床試験の結果を統合した。その結果、精神刺激薬を投与した群では睡眠障害が多くみられることが判明。例えば、ある研究ではメチルフェニデート(リタリンのジェネリック薬)を服用した小児群は、1日の平均睡眠時間がプラセボ群に比べ約20分短かった。

「小児の服薬を中止することは勧めないが、睡眠障害がみられる場合は親が小児科医に相談することを勧める」とKidwell氏は話す。小児が1日に精神刺激薬を服用する回数が多いほど、夜間に眠りにつくまでに時間がかかることが明らかにされているため、1つの対処法として、1日1回服用する持続放出性の製剤に切り替えることも考えられると研究グループは述べている。

米ニクラウス小児病院(マイアミ)のTrevor Resnick氏は、子どもを毎日同じ時間に寝かせ、電子機器類を寝室に置かないなどの習慣づけが必要だと述べるとともに、小児の正常な脳の発達のためには毎日十分な睡眠をとることが「極めて重要である」と付け加えている。一方で、ごく少数の小児はADHD薬に関連する睡眠障害を発症することもあり、今回の知見は意外なものではないと、同氏は強調している。

Kidwell氏は、どんな薬剤にも副作用はあり、親はADHD治療薬の「コストと便益」を総合的に比較する必要があると指摘。「今回の研究は、そのコストの1つに関する新たな情報を提供するものにすぎない」と述べている。(HealthDay News 2015年11月23日)

http://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/attention-deficit-disorder-adhd-news-50/adhd-medications-can-cause-sleep-problems-705504.html
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