人生に対して目的意識をもつと、心臓が保護され、寿命が延びる――こんな研究結果が「Psychosomatic Medicine: Journal of Biobehavioral Medicine」12月3日号に掲載された。米マウントサイナイ・セントルークス・ルーズベルト病院(ニューヨーク市)のAlan Rozanski氏らの研究。
研究によると、「人生には意味がある」、あるいは「他の人の役に立っている」と強く感じている人は、心疾患発症と死亡のリスクが低かったという。
人生の目的意識と心疾患リスクの関連性を検討するにあたり、Rozanski氏らは米国および日本の13万6,000人を対象とした過去の研究10件を分析した。対象者の平均年齢は67歳であった。
約7年間の追跡で、原因を問わない死亡が1万4,500人超、心臓発作・脳卒中・その他の心臓関連の事象が4,000人にみられた。しかし、人生において高い目的意識があると答えた人では、追跡期間中の死亡リスクが約20%低く、心臓障害リスクも低いことがわかった。
「人生に目的意識をもつことがどのように健康を向上させるのか、正確に知るためにはさらなる研究が必要だが、こうした意識がストレスへの反応から身体を守るのに役立ち、健康的なライフスタイルを促進する可能性もある。この結果は、人々の健康や幸福感を促進するのに役立つ新しい有望な介入のきっかけになる重要な知見だといえる」とRozanski氏は述べている。
ただし、今回の研究は目的意識と長寿の因果関係を証明するものではない。(HealthDay News 2015年12月4日)
http://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/psychology-and-mental-health-news-566/higher-sense-of-purpose-in-life-may-boost-heart-health-705870.html
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