心臓手術を受けた患者の約10人に1人は、術後2年たっても痛みが持続していることが、カナダ、モントリオール病院研究センターのManon Choiniere氏らの研究で示された。
「CMAJ(Canadian Medical Association Journal)」オンライン版に2月24日掲載された今回の研究では、カナダの4カ所の心臓外科施設でバイパス術や弁置換術などの心臓手術を受けた18歳以上の患者1,200人強を対象とした。手術から3カ月後に40%、6カ月後22%、1年後17%、2年後10%の患者が術後の疼痛を感じていた。Choiniere氏は、「米国で年間40万人以上が心バイパス術を受けていることを考えると、この有病率は無視できるものではない」と述べている。
研究グループはさらに、若年の患者、術前に慢性疼痛のあった患者、術前の不安が強かった患者、術後1週間の疼痛レベルが高かった患者は、手術から2年後にも痛みが持続するリスクが高いことを突き止めた。
「今回の研究では、手術直後の数日間にみられる急性疼痛のレベルがきわめて高かったことも注目に値する。過去30年にわたり、同様の所見が繰り返し認められていながら、多くの啓蒙活動、疼痛ケアガイドライン、教育努力の甲斐もなく、依然として術後の疼痛への対処が遅れていることは厄介な問題である」と著者らは述べている。
術前の不安、術後数日間の疼痛の程度は、心臓手術後の長期的な疼痛のリスクファクターとして改善可能なものであると、著者らは述べるとともに、「生活の質(QOL)を低下させるおそれのある長期的な慢性疼痛のリスクについて患者に知らせておく必要がある」と指摘している。心臓手術後の長期的な痛みの予防や最小化の方法を明らかにするには、さらに研究を重ねる必要があると、著者らは結論付けている。(HealthDay News 2月24日)
http://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-attack-management-and-prevention-news-365/many-patients-experience-pain-after-heart-surgery-study-finds-batch-1148-685072.html
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