痛風の治療によく用いられる薬剤が、痛風患者の早期死亡リスクを低減する可能性があることが、米ボストン大学医学部のMaureen Dubreuil氏らの研究でわかった。
これまでの研究から、痛風と早期死亡リスクの間には関連が示されている。今回の研究では、最も広く利用される痛風治療薬のアロプリノールがそのリスクに及ぼす影響について検討した。研究の背景情報によると、アロプリノールを使用した患者には約260人に1人の割合で死に至る可能性のある反応が生じるため、処方に消極的な医師もいるという。
Dubreuil氏らは、英国でアロプリノールを処方された5,900人強の痛風患者のデータを調べ、同薬を処方されていない痛風患者の集団と比較した。その結果、アロプリノールを処方された患者は同薬を処方されていない患者に比べ、研究期間中の全原因死亡率が11%低く、全体ではアロプリノールの使用により痛風患者の死亡リスクが19%低減した。
Dubreuil氏は、「このリスク低減は1年目から現れ、その後の追跡期間を通して認められた」と述べている。この知見は、アロプリノールの使用により痛風を治療できるだけでなく、痛風患者を早期死亡から守れる可能性を示すものであると、同氏は付け加えている。さらに今回の結果から、生存率にみられるベネフィットが、稀に生じる重篤な副作用のリスクを上回ることが示唆されると報告されている。
今回の研究ではアロプリノールと痛風患者の早期死亡リスク低減の間に関連が認められたが、因果関係は裏付けられていない。この研究は米国立関節炎・筋骨格・皮膚疾患研究所(NIAMS)、米国関節炎財団(AF)およびVAボストンヘルスケアシステムの支援により実施された。研究結果は、「Annals of the Rheumatic Diseases」オンライン版に3月24日掲載された。(HealthDay News 3月28日)
http://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/misc-death-and-dying-news-172/briefs-emb-3-24-gout-drug-death-risk-ard-bumc-release-batch-1198-686146.html
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