RIPCでは、血圧計カフを用いて、腕など心臓から遠い部位への血液供給を短時間遮断し、その後回復させる。今回の研究では、心臓パイパス手術前に患者162例にRIPCを実施。左上腕で血圧計カフを膨張させ、血流を5分間制限後、5分間回復させた。これを3回繰り返し、RIPCを行わなかった対照群(167例)と比較した。
術後、心筋損傷を示す蛋白であるトロポニンIの血中濃度を測定したところ、RIPC群では術後72時間のトロポニン濃度は対照群よりも平均17%低かった。また、最長4年間の追跡調査でRIPCの長期健康に対する影響を調べた結果、RIPC群の術後1年の全原因による死亡は対照群よりも73%、心臓発作または脳卒中による死亡は86%低かった。
Heusch氏は、「今回の結果は、RIPCが心臓バイパス手術患者の心筋損傷を軽減するだけでなく、長期の健康も改善することを強く示唆している」と述べ、共著者の1人は「RIPCは非侵襲性で、安価かつ安全である」としている。(HealthDay News 8月16日)
http://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/heart-bypass-news-367/using-blood-presure-cuff-right-before-heart-surgery-cuts-heart-damage-study-679221.html
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