今回の研究では、1996年に9~15歳の女児9,000人強の追跡を開始し、2010年まで継続した。研究著者で米ワシントン大学サイトマンSitemanがんセンター(セントルイス)副所長のGraham Colditz氏は、「この知見は、これまでにない乳がん予防策への大きな期待をもたらすものだ」と述べている。「Breast Cancer Research and Treatment」オンライン版に9月17日掲載された今回の研究は、乳がん研究財団と米国立衛生研究所(NIH)の支援により実施された。
Colditz氏によると、閉経前の女性の4人に1人に良性病変がみられ、病変の特徴によってはがんリスクを3倍に増大させることもあるという。今回の被験者は、若年者の食生活・運動と健康に関する長期研究の参加者の一部。被験者は1996年から2001年まで毎年、さらに2010年までに4回、食生活に関する質問票に回答。この間に良性乳房疾患の診断を受けたのは全体で112人だった。
研究グループは、植物性蛋白および植物性脂肪の含まれる食品に着目し、さらにピーナッツをはじめとするナッツ類、豆類、トウモロコシなどの個別の食品に焦点を当てた。その結果、これら食品を毎日摂取していると、良性乳房疾患リスクが68%低減することがわかった。14歳時点でいずれかの食品を1日1人前摂取していた場合、リスクが66%低く、ピーナッツバターを週に3人前摂取していた女性はリスクが39%低かった。
因果関係は不明だが、「蛋白質が関連している可能性が高い」とColditz氏は述べている。同氏によれば、現時点でいえることは、9歳ぐらいから10代の女子はクッキーなどの代わりにピーナッツやピーナッツバターを食べるほうがよいということだという。研究のレビューを実施した米シティ・オブ・ホープがんセンター(カリフォルニア州)のSteven Chen氏は、乳がんリスクを増大させる因子はほかにも多数あると指摘し、「リスクを低減する因子は歓迎されるべき情報だが、ピーナッツバターの摂取による影響は時間が経過してみないとわからない」と述べている。なお、同氏は今回の知見に基づき、アレルギーでない限りピーナッツバターを避けずに摂取するほか、野菜からある程度の蛋白質を摂取することもよいと付け加えている。(HealthDay News 9月27日)
http://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/girls-who-eat-peanut-butter-may-lower-breast-cancer-risk-in-later-life-680565.html
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