米ペンシルベニア州立大学脳・行動・認知センター副所長のPing Li氏らは、第二言語の学習前後に脳内ネットワークで起きる変化を調べ、その変化の個人差を予測した。英語を母国語とする39人を対象として、23人に6週間、中国語の語彙を勉強してもらい、語学コースの前後にMRIで脳をスキャンした。
その結果、中国語の学習に最も成功した被験者では、特定の思考および言語スキルを扱う脳領域間の接続性が最も良好であった。ただし興味深いことに、習得能力の高い学習者の脳内ネットワークは、学習する前から良好に接続していたという。
「第二言語の学習に優れる神経ネットワークをあらかじめ持っている人がどのくらい存在するのか、この種のネットワークを訓練によって増やすことが可能なのかは不明である」とLi氏は述べている。
なお、全体として、学習後には脳の接続性や統合性が高まっていた。Li氏は、「新たな言語を学ぶと、言語を扱う脳領域が活性化することがわかっている。しかしこれらの異なる領域がネットワークとしてどのように接続するかはわからない」と話し、「それでもこれらの接続性は長期的に有用で、バイリンガルは平均的に認知症になるのが遅いことがわかっている」と述べている。
(HealthDay News 11月26日)
http://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/brain-health-news-80/some-may-be-pre-wired-to-be-bilingual-694012.html
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一部の人では、第二言語を習得するための神経ネットワークが脳内にあらかじめ存在するらしい――こんな研究結果が、「Journal of Neurolinguistics」に近く掲載される。ただしこうした個人差にかかわらず、母国語以外の言語を学ぶ努力をすれば、誰もが脳の働きを高められる可能性が高いという。