にきび(ざ瘡)を根治する方法はまだ存在しないが、最新の治療法により容易に管理ができるようになっていると、皮膚科医らが報告している。
米ウェイク・フォレスト大学バプティスト・メディカルセンター(ノースカロライナ州)の皮膚科医であるSarah Taylor氏によると、「治療法の選択肢が増えたことにより、現在は状況が大幅に改善されている。この10年で処方薬は大きく様変わりしている。以前に比べ、あらゆるタイプのにきびに対処する準備が十分に整っている」と、同氏は説明する。
皮膚の毛穴には皮脂を産生する分泌腺があり、この腺から皮脂が過剰に産生されると、毛穴が閉塞することがある。同時に、汚れ、細菌、角質などが内部に蓄積され、白にきび、黒にきび、吹き出物などの病変が形成される。にきびは、男女ともに人種を問わず誰にでもできる。一般にはティーンエイジャーの疾患と考えられているが、成人も発症することがある。10人中8人が生涯に一度はにきびの急増期を経験すると推定されている。ホルモン変化が原因となるとも考えられ、ティーンエイジャーや妊婦に多いことの説明になるが、遺伝性のものもある。
専門家によると、有効な治療法は存在するが、改善がみられるまでには時間を要することがあるという。同センターの皮膚科医であるWilliam Huang氏は、「市販薬(OTC薬)は多くの症例で有効だが、テレビでどう宣伝されていようとも、効果が出るまでには通常6~8週間を要する」と述べている。2~3カ月以内に治らない重症のにきびでは、さらに強力な薬剤を処方することもある。有効な治療レジメンは、皮膚に直接塗る薬剤とともに経口抗菌薬を使用し、にきびのさまざまな原因と副次的影響を標的にするものが多い。
「治療はにきびの重症度、タイプ、部位および患者個人の希望と治療への意欲によって変わってくるが、個々の患者に合わせた多層的なアプローチは非常に有効である」と、Huang氏は述べている。ただし、治療が効果を発揮するのは皮膚科医の指示通りに使用した場合に限られると、専門家らは指摘している。このほか、重症のにきびに用いられる、より侵襲的な治療法として、ケミカルピーリング、マイクロダーマブレーション(クリスタルやダイヤモンドの粒子を用い皮膚の表面を剥離させる方法)、レーザー治療などがある。このような方法は、にきびにより精神的苦痛を感じている患者に希望を与えるものとなっている。(HealthDay News 6月9日)
http://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/acne-news-3/new-approaches-make-acne-easier-to-manage-experts-say-688532.html
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