従来の治療法にコンピュータ・タブレットの使用を加えると、自閉症児の会話や交流の改善に役立つ可能性があることが、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校セメル神経科学・人間行動学研究所のConnie Kasari氏らの研究でわかった。
5~8歳の自閉症スペクトラム障害(ASD)児61人を対象に、コンピュータ・タブレットのiPadを使用して言語・社会的コミュニケーションの治療を行ったところ、iPadを使用しない場合と比較して、この機器が治療効果を高めるのに役立つことがわかった。 被験者はいずれも、『会話能力は最も低いレベル』(話すことのできる機能語が20個以下)であり、最初の3カ月間、合計週2~3時間になる週2回のセッションを受けた。
3カ月後、iPad使用群では78%近くに早期反応がみられたが、非使用群では62%にとどまった。早期反応は、発話する単語数など14の評価項目のうち半数が25%以上改善することと定義した。3カ月後、改善がみられない小児にiPadを追加したが、最初から使用した場合ほどの効果はみられなかった。 Kasari氏らは3年間の追跡調査を行った。
同氏は、「全ての小児が改善したが、iPadの使用でより改善した。iPadを視覚的刺激と聴覚的フィードバックとして用いることで、会話の開始を支援することに焦点を当てた」と述べている。 今回の研究は、研究支援団体オーティズム・スピークスの資金援助を受けて行われ、「Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry」6月号に掲載された。(HealthDay News 7月1日)
http://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/autism-news-51/ipads-help-autistic-kids-talk-finds-study-689263.html
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