若いうちに不健康な生活習慣を改めれば、後の心疾患リスクを低減できることが、新たな研究で示唆された。「成人後、少なからず不健康な行動をした後であっても、改善すれば心臓へのベネフィットを得ることができる」と、研究著者である米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部(イリノイ州)のBonnie Spring氏は述べている。
不健康な行動が心疾患に関連することは多くの研究で示されているが、生活習慣を改めることの効果に着目した研究はほとんどなかったという。「人は変わらない」というのが一般的な考えだが、それは必ずしも真実ではなく、変わることで効果も得られるとSpring氏は指摘する。この研究は「Circulation」に7月1日掲載された。 今回の研究では、「若年成人における冠動脈リスク進展(CARDIA)研究」に登録した男女3,500人強について、健康に関連する行動を追跡した。
18~30歳の時点とその20年後に評価を実施し、血管の石灰化などの変化について調べた。過体重でない、喫煙していない、運動している、アルコール摂取量が少ない、健康的な食生活(脂質が少なくカルシウム、食物繊維、カリウムが豊富な食事)をしている、という5つの健康的な習慣に着目したところ、研究開始時点で5つすべてに該当すると回答した被験者は10%未満であった。しかし、時間の経過とともに25%に生活の改善がみられた。約35%は変化がなく、40%は健康的な習慣が減少した。 健康的な習慣が追加された数が多いほど、心疾患リスクが低かった。
例えば、同じ習慣を20年間維持していた人は、20年目までに心疾患の早期徴候がみられるリスクが20%弱であったのに対し、健康的な習慣が3~4つ減少した人のリスクは32%、3~4つ増えた人のリスクは5%であった。特に高い効果が得られたのは、正常体重の維持と禁煙だった。単にこれらが評価しやすい指標だったために効果が見えやすくなったという可能性もあるものの、まずはこの2つの習慣から取り入れるのが適していると、Spring氏は勧めている。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デビッド・ゲフェン医学部教授のGregg Fonarow氏は、「この研究により、18~30歳から後の20年間での生活習慣の変化がどのような効果をもたらすかについて、新たな洞察が得られた。健康的な生活習慣を取り入れるのは当然早いほうがよいが、すでに誤った方向へ進んでしまった人でも、早い段階で生活を改めれば心血管リスクを回避できることが示唆された」と指摘している。(HealthDay News 7月3日
http://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/dieting-to-lose-weight-health-news-195/change-bad-habits-save-your-heart-689406.html
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