近年、英国で心疾患関連の死亡率の大幅な低下が認められているが、これには塩分摂取量の減少が大きく関わっている可能性が高いことが、英ウルフソン予防医学研究所(ロンドン)のGraham MacGregor氏らの研究で示唆された。食物中の塩分量は、2003年から2011年に15%低下し、同じ期間に心疾患による死亡率は40%、脳卒中による死亡率は42%低下しているという。研究論文はオンライン医学誌「BMJ Open」に4月14日掲載された。
全英での減塩プログラムは2003年に開始された。しかし研究グループによると、英国での塩分摂取量は依然として高く、今後も食事の塩分量を減らすために多大な努力が必要だという。塩分は血圧を上昇させ、それが心疾患や脳卒中の主要なリスクになると専門家らは指摘している。
MacGregor氏らは、2003年から2011年まで追跡した数千人のデータを分析した。この期間、被験者には心血管疾患の複数のリスクファクターの改善が認められ、平均コレステロール値と平均血圧の低下、果物と野菜の摂取量増大、喫煙率の低下がみられた。
このような変化が心疾患および脳卒中による死亡率の低下に寄与したが、最も大きな影響をもたらしたのは塩分摂取量の15%の低減であると研究著者らは推測している。「塩分摂取量の減少は、2003年から2011年までに英国で認められた血圧降下に大きく貢献した可能性が高い。結果として、塩分摂取量の減少がこの期間の脳卒中および虚血性心疾患による死亡の減少に重大な役割を果たしたと考えられる」と、述べている。
しかし、英国では成人の70%が今も1日の最大推奨量を超える塩分を摂取しており、その80%は加工食品に由来するものだとMacGregor氏らは指摘しており、「脳卒中および心疾患による死亡を最大限に予防するには、塩分摂取量をさらに低減するべく、継続して一層の努力をしていく必要がある」と結論付けている。
なお、今回の研究では塩分摂取量の低減と死亡率の間に関連が認められたが、因果関係は裏付けられていない。また、研究著者らはもう1つの因子として考えられる運動レベルについては考慮していないという。(HealthDay News 4月14日)
http://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/misc-death-and-dying-news-172/lower-salt-intake-heart-deaths-bmj-open-release-batch-1128-686736.html
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