あくびは、熱くなった脳の冷却に役立つことが、オーストリア、ウィーン大学のJorg Massen氏らの研究で示唆された。あくびをする人の数が気温によって変動し、外気温が非常に高いか非常に低いとさほど多くないという。研究論文は、「Physiology & Behavior」オンライン版に5月10日掲載された。
Massen氏らは、夏と冬にウィーンで屋外を歩いている人のあくびを追跡調査し、次に、アリゾナで同じ実験を行い、結果を比較した。また、被験者全員に、いわゆる“人にうつるあくび”を誘発するため、他人のあくびの写真を見せ、自分のあくび行動について報告してもらった。
その結果、ウィーンでは冬よりも夏にあくびが多かったが、アリゾナでは逆だった。人にうつるあくびは気温が約20℃で起きる可能性が最も高かった。それを上回る気温(アリゾナの夏の約37℃)やウィーンの冬の氷点あたりでははるかに少なかった。Massen氏らによれば、脳を冷やすためのあくびは、外気温が体温と同程度以上高いと機能せず、寒い気候では必要でさえない可能性があるという。
Massen氏らは、「あくびと血中酸素濃度の関連性を明らかにした研究はない。自然なあくびも人からうつされたあくびも脳の冷却に役立つことを示すエビデンスは増加しつつあり、今回の研究もその1つである」と述べている。(HealthDay News 5月8日)
http://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/brain-health-news-80/is-your-brain-overheating-try-yawning-687676.html
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