週に数回ビールを飲むと女性の関節リウマチの予防になる可能性が、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院およびハーバード大学医学部(共にボストン)助教授のBing Lu氏らの研究で示され、「Arthritis & Rheumatism」オンライン版に4月11日掲載された。
関節リウマチは免疫系の機能不全に関連する関節炎の一種で、男性より女性に多い。米国関節炎財団(AF)によると、米国で150万人以上が罹患し、多くは20~30代に発症する。しかし、Lu氏によると、適量のアルコールを長期的に摂取することにより、女性の関節リウマチのリスクを低減できる可能性があるという。
今回の研究では、看護師健康調査と第2次看護師健康調査という2つの大規模調査に参加した女性の飲酒習慣を追跡した。前者は12万1,000人超の正看護師を対象に1976年に開始され、後者は11万6,000人を対象に1989年に開始された。被験者は2年ごとに自身の健康状態と生活習慣に関する質問に回答したほか、4年ごとにアルコール摂取を含めた食習慣について回答した。その結果、全体として適量のアルコールの長期的な摂取により関節リウマチリスクに約21%の低減がみられたが、最も効果が高かったのは週に2~4回のビールで、31%のリスク低減が認められた。
ビールやその他のアルコールが女性の関節リウマチリスクを低減する機序は解明されておらず、この知見を男性に適用できるかどうかも不明だという。米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク)の内科医Len Horovitz氏は、アルコールと関節リウマチリスク低減の相関を認めた研究は過去にもいくつかあると指摘する一方、あくまでも相関であり、因果関係を示すものではないと述べている。米南カリフォルニア大学(USC)ケック医学部のDaniel Arkfeld氏は、アルコールが関節リウマチを予防する作用のあるエストロゲンの値を増大させる可能性があると説明している。
米国リウマチ学会(ACR)メディア委員会のメンバーであるScott Zashin氏は、「関節リウマチの発症率はさほど高くないが、家族歴がある場合はリスクが高まる。家族歴のある患者は、飲まない理由がなければ、週に何回かビールを楽しむのもよい」と述べている。一方、Horovitz氏は、たまの飲酒は健康によいかもしれないが、過剰な飲酒は決してよくないと強調し、ビールを飲まない人がこの知見を理由に飲み始める必要もないと付け加えている。また、Arkfeld氏によると、アルコールと一部の関節リウマチ薬の飲み合わせは肝臓に影響を及ぼすリスクがあるため、医師に相談する必要があるとしている。(HealthDay News 5月7日)
http://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/rheumatoid-arthritis-news-43/could-a-few-beers-a-week-lower-women-s-odds-for-rheumatoid-arthritis-687495.html
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