大豆食品の摂取が子宮がんの予防になるというエビデンスはないことが、国立がん研究センターの岩崎基氏らの大規模研究で報告された。
ダイズ食品には植物由来の女性ホルモンであるイソフラボンが含まれており、いくつかの研究では、イソフラボンががんを予防する可能性が示唆されている。しかし、大豆食品が子宮(内膜)がんリスクに及ぼす影響に関するこれまでの研究では、一貫した結果は得られていなかった。
今回の研究では、日本人女性4万9,000人強を対象に、5年間に2回、食生活、ライフスタイル、病歴のほか、みそ汁、豆腐、豆乳などの8種類の大豆食品の摂取について調査。5年後、112人の女性が子宮がんと診断されたが、大豆食品の摂取量と子宮がんリスクとの間に関連は認められなかったという。この研究は、「BJOG:An International Journal of Obstetrics and Gynaecology」に6月18日掲載された。
研究グループによると、大豆食品を多く摂取する女性は、果物や野菜の摂取量が多く、高齢の傾向がある。また、糖尿病の既往のある比率が高く、現在の喫煙あるいはアルコール・コーヒー摂取の比率が低かったという。岩崎氏は、「大豆およびイソフラボンの摂取と子宮内膜がんには関連はないことが示された」と述べている。
「アジア諸国では子宮内膜がんの発生率が大幅に低いが、次第に増大しつつある。また、日本人は大豆食品の摂取量がきわめて多いことがわかっている」と、岩崎氏は指摘。「今回の知見を検証し、研究基盤に加えるには、さらに多くの症例を対象に研究を重ねる必要がある」と、研究グループは結論付けている。同誌の副編集長であるJohn Thorp氏は、「この知見を裏付けるには、さらに詳細な調査と大規模かつ広範囲の研究が必要である」と付け加えている。(HeathDay News 6月18日)
http://consumer.healthday.com/cancer-information-5/mis-cancer-news-102/soy-foods-don-t-protect-against-uterine-cancer-researchers-688934.html
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